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リモートワークの課題を克服!Discordの役職(ロール)機能を活用して、在席ステータスを可視化した話
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こんにちは!ディレクターW.Tです。
今回は社内改善の話について書きます。
弊社が普段から社内のボイスコミュニケーションツールとして使用しているDiscordで、在席ステータスを可視化する仕組みを導入した話です。
フレックスタイムでリモートワークをする
monomodeでは現在、出社か在宅かを選べるリモートワーク制度と13:00-16:00がコアタイムのフレックスタイム制度が整備されています。
私は基本的に自宅で完結する業務が多いので、ほぼ在宅で勤務をしています。
社内でも8割ほどのスタッフが在宅勤務をしていて、2割の管理部や営業のスタッフは出社していたりします。そのため、誰がいつ、どこで作業をしているか、在席確認用の連絡や報告がない限り、把握することが中々難しいです。
私自身、案件でチームメンバーと相談したいときに、その人が出社/退勤しているのか、打ち合わせ中なのか、昼休み中なのかを把握した上で、相手に合わせて連絡を入れたりするように心がけています。
そのため、相手の状況が見えない環境下では、余計な心配をしたり、不安になったりすることも多々あります。
心理的安全性を守る
リモートワークにおいて、課題になりやすい問題の1つとして、お互いの状態が見えないことによる組織の心理的安全性低下があります。
心理的安全性がある組織とは、組織に所属する一人ひとりのメンバーが、安心して自分らしく働くことができる組織を指します。
「今すぐ確認したいことがあるけど、相手は忙しいのだろうか?」とか、「出社している人にお願いしたいことがあるけど、誰が出社しているのだろうか…?」など、今まで同じ場所で働いていた時代では、視覚や聴覚で把握することができていました。
しかし、同じ場所で働くことがなくなったことで、互いの状況を相互に把握する仕組みを導入しなければ、今までと同等の心理的安全性を保つことは難しいのです。
他者との繋がりが薄れることによる孤独感と不安
リモートワークを実践する組織を蝕む問題として、「組織内での孤独感や不安」といった問題もあります。
パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」によると、『「テレワーカー本人が抱いている不安の1位は「相手の気持ちが察しにくい」で39.5%、2位は「仕事をさぼっていると思われないか」で38.4%」』という調査結果も出ているようでした。
今までは意識せずとも他者との繋がりや相互理解ができていた、と思われていたことが、リモートワークにより問題として顕著になったといえます。
引用元:パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」
仕組みを考える
今回の問題を解決する上では、仕組み化することが最善であると考えました。
そこで考えたのが、在席ステータスの重要性です。
在席機能のあるツール
在席ステータスは、すでに様々なアプリ内で導入されています。例えばコミュニケーションツールのSlackでも、個々人がステータスを管理して自分の今の状況を表示することができます。
▼Slackのステータス
他にもirucaというWebサービスも有名です。このツールはログイン不要で無料で始められるので、気軽に在席ツールを導入したい場合にはおすすめです。
弊社でも一度、irucaを導入したこともあったのですが、「毎日、全員が必ず目にする場所ではない」事と、ブラウザを開き直したり、リロードする必要がある手間などにより、結局は社内に浸透しませんでした。
普段の業務において互いの在席確認を取れること自体が業務に支障をきたすような問題ではないため、人によっては在席状況をいちいち更新することが無駄なタスクに感じてしまいます。
こういった仕組み自体、全員の協力があってこそ効果が期待できるので、得られる効果よりも苦労が上にあるだけで、仕組み化することが難しいのです。
そのため、今回の仕組み作りとしては、以下の2つをクリアできることを目指しました。
①仕組み化したことによるメリットを全員が享受できる
②なるべく簡潔にし、アクションを重いタスクとして認識させないようにする
そこで取り入れたのが、monomode既存のツールである、Discordを利用した在席確認の仕組み化です。
既に社内で浸透しているDiscordルールの課題
Discordは、ゲーマー同士のコミュニティで使うことを目的としたアプリでしたが、コロナ禍の働き方の変化によって、企業のコミュニケーションツールとして採用されることが増えています。
弊社もリモートワークに移行したタイミングで、社内の在席確認(オンライン状況)と、ラフなボイスコミュニケーションの場としてDiscordを活用をしています。
2021年9月現在、Discord上の通常のステータス機能としては、「オンライン/退席中/取り込み中/オンライン状態を隠す」の4つのオンラインステータスはありますが、細かくステータスを分けることができません。
また、離席マークを付けたり、取り込み中マークを付けたりすることで、自分が離席中なのか、取り込み中なのかを発信することはできますが、「昼ごはんを食べているので離席中」や「打ち合わせ中のため取り込み中」といった細かい状況発信はできません。
どこまでを共有するかは個人に委ねられます。
▼ざっくりとしたステータスで区分していた当時のルール
▼Discordの画面右部に表示されているメンバー一覧。
オンライン/オフラインの区分けのみでわかりにくい。
リモートワークにおける不可視の壁
個人に委ねられる運用ルールは、少人数で価値観がほぼ同じメンバー同士という状況でない限り、ばらつきが生じます。
会社という組織において、個人の性格や価値観の違いはあって当たり前ですが、これを黙認した運用は、組織の心理的安全性が徐々に低下していきます。
この状況が続くことで、「あの人はあまり更新してないからSlackで連絡してみるまで状況がわからない」といったように、相互の不信感や信頼低下も起こりやすい環境になってしまいます。
【解決策】Discordの役職(ロール)機能で擬似的に在席ステータスを作る
ここで着目したのがDiscordの役職(ロール)機能です。
役職(ロール)は、サーバー内での操作に階級をつけ、ユーザーごとの権限を付与するような機能です。
本来の使い方とは異なりますが、今回はこの機能を使うことで、UIとしての見やすさ・わかりやすさと、操作の簡潔さを改善することができました。
在席ステータス化したい項目を、役職(ロール)として作成
弊社では以下の5つの在席ステータスを作成しました。
(その後、打ち合わせ中も追加しましたが、初期は5つ。)
さらに細かくすることもできますが、全員の認識が一致する言葉から選ぶことを重視しました。
- 在宅
- 出社
- 昼休み
- 集中タイム
- セミナー受講
※細かい役職(ロール)の設定方法は記事が長くなりすぎるので、割愛しますが、下記をMSSさんの記事を参考に設定しました。
自身の在席状況に合わせて、ロールを選択する
作成した役職(ロール)は、下記のように設定することができます。
※注意点として、役職(ロール)の機能制約上、ロールを自由に移動できる上位の権限を全員に付与する必要があるため、”スタッフ”や”編集”といった権限もつけています。
▼画面右側の自分を選択し、ロールの+ボタンから任意のステータスを選択
一覧が役職(ロール)ごとに整頓され、画面が見やすくなる
上記の役職(ロール)を、自分の在席状態に合わせて各スタッフに更新してもらうことで、Discord上のメンバー一覧が見やすく整列されます。
あとは状況に合わせて、Discordのカスタムステータスを変更したり、コメントをつけたりして在席状態を発信します。
▼(改善後)Discord画面右側のメンバー一覧表示
(さいごに)仕組みを考える上で大切なこと
Discordの役職(ロール)を使った在席ステータスの管理&運用についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回はmonomodeが様々な職種(クリエイターもいればマーケティング部、管理部、営業のメンバーもいる多様な職種)のメンバーが集まっているからこそ、新たにツールを増やしたりせず、既に使い慣れているDiscordをベースに仕組み化を行いました。
「組織にいる人たちの性格や価値観、個性に合わせた仕組みを作る」ことを目指し、これからも社内改善を推進していきます。
それではまた!