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制作に行き詰まった時、Webディレクターを助けてくれる書籍5選

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ディレクターの前田です。

Webディレクターの皆さんはいつも、どういった段取りでプロジェクトを進めるべきか、どうすればお客さんと円滑にコミュニケーションを取れるかなど、その案件に合わせて最適な方法を模索しながらプロジェクトを進めていると思います。

でも、これまでのやり方だと上手くいかない、もっと改善していきたいという思いが出てくることがあるのではないでしょうか。そんな時、これまでの視点を変えてくれる、視野を広げてくれる書籍をご紹介いたします。

UXデザインプロジェクトガイド―優れたユーザエクスペリエンスデザインを実現するために


Russ Unger (著), Carolyn Chandler (著), 松田 晃一 (翻訳)
出版社 : カットシステム

この本は、ユーザエクスペリエンス(ユーザ体験)に特化したようなタイトルですが、Web制作の設計段階に必要な内容を全て網羅している良書だと思います。プロジェクトの発足からデザインに入る前までの考え方と方法について詳しく書かれています。制作の指針や事例について紹介している書籍は多く見かけますが、実際にどうすれば良いかという方法についてはあまり具体的に書かれている書籍は少ないと思います。

この本では、かなり具体的でテクニカルな方法について、しつこいくらい説明されていて、初めてWeb制作に取り組む人(Webディレクター、Webデザイナー)でも、迷わずトライできる内容になっています(結果うまく行くには何度かワークショップやプロジェクトをこなす必要はあると思いますが…)。
ペルソナでは”最低限”必要な情報に「写真」「名前」「年齢」「場所」「職業」「略歴」の6つのキーが挙げらていたり、サイトストラクチャの書き方ではコネクタや矢印の引き方に加えて、ずさんな失敗例まで紹介されていたりと、普段からUXに取り組んでいる制作者にとっても再度気づかされることが多い内容になっています。設計において情報の整理がつかない方、制作の結果が出ない方は一読する価値のある一冊です。

ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える、君へのアドバイス-ロゴデザイン・ラブ!


デイビッド・エイリー (著), 郷司陽子 (翻訳)
出版社 : ビー・エヌ・エヌ新社

北アイルランド出身の有名グラフィックデザイナーであるデイビッド・エイリーという方が書いたロゴ制作の本なのですが、なぜWebディレクター向けにオススメしたいかといいますと、ロゴの作り方だけを書いている本ではなく、ロゴ制作プロジェクトの進め方についてまで書かれた本だからです。プロジェクトという意味では、Web制作と共通する部分が多く、同じモノづくりに携わる者として大変参考になる内容になっています。
クライアントとの交渉から、デザイン料の計算方法、メンタルの保ち方まで、デザイナーとしての手の内をそこまで明かしてしまっていいの??というくらい正直に教えてくれています。モチベーションを維持していくための心構えについては、本書の1/3のボリュームを割いて述べらています。

写真や自分のスケッチなどイメージが多用されているので、ページ数の割にサクッと読めます。ロゴ制作の方法についても知れるし、ディレクションの向上にもつながるし、一石二鳥的な一冊です。

デザインの伝え方


Tom Greever (著), 坂田 一倫 (監修), 武舎 広幸 (翻訳), 武舎 るみ (翻訳)
出版社 : オライリージャパン

これまたデザイナー向けの一冊のようなタイトルですが、ステークホルダーにどう内容を伝えて合意を取っていくかのヒントが書かれている一冊です。

デザイナーがデザインをどう伝えるかだけではなく、エンジニア、プロジェクトマネージャー、マーケティング担当などの非デザイナーがデザインについて有効な議論するための方法についても書かれています。
また、プロジェクトメンバーやクライアントとの人間関係の築き方や、自分に誤りがあった場合の対応方法などの難局を打破するヒントについてまでも多くのページが割かれています。
プロジェクトを進めていく上での社内外のコミュニケーションの取り方について大変勉強になる一冊です。

予想どおりに不合理 ー 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」


ダン アリエリー (著), 熊谷 淳子 (翻訳)
出版社 : ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫

一般書籍から一冊。相手の行動を予測する場合、私たちは合理的な行動を取ると考えがちです(自分自身の行動でさえも)。しかし、人間は想像以上に不合理な行動を取るものだ…という事について、幾つかの実験を例に説明している内容になっています。最近、本屋の面体に行動経済学の本が並んでますが、断然この本が読みやすいです。人間の選択行動について実験を、身近に起こりそうな場面を例に実施していて、共感ができてわかりやすいです。

チョコレートを1セントで売った場合と無料で配った場合の行動の変化や、バスケットボールのチケットを抽選で手に入れた人が”売る”としたら考えている金額とそのチケットが欲しいと思っている人が「●ドル」なら”払おう”と思っている金額の差など。
直接的ではありませんが、Webのサービスやデザインを考える際にとても参考になると思います。
イケメンAとイケメンBのどちらが女性に選ばれるか?という「おとり効果」の実験では、イケメンAに似ていてイケメン度は劣るイケメンA’を用意して3択にするとイケメンAを選ぶ確率が上がり、イケメンB’を用意するとイケメンBを選ぶ確率が上がるという結果には、制作においても参考になるなぁと考えてしまったり。

この分野、デザインの分野にも取り入れられるのでは!!と思っていたら、2020年6月にオライリーから「行動を変えるデザイン ー 心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する」って本が出てました。

CentOS8で作るネットワークサーバ構築ガイド


サーバ構築研究会 (著)
出版社 : 秀和システム

ちょっとこれまでのオススメ書籍と毛色は違いますが…Web制作のフロントの現場では、サーバーやネットワークなどのインフラについての苦手意識が多いと思い、その解決策としての一冊。とは言ったものの、私も詳しいわけではありません。私は元々Webデザイナーとして、この業界のキャリアを始めましたが、10年くらいはサーバーについてさっぱり分かりませんでした(分かろうともしていませんでした)。でも、プロジェクトを進めていく中で、ぶち当たる課題ではありました。知識では分かった気になってもどうもピンと来なかったんですよね。

でも、ある日どうしてもテストサーバーを構築しなくてはいけなくなりまして、サーバーを構築してみたら、サーバーのセットアップ以上に見えてくるものがありました。知識で見えていた部分が、動くものを見ると「そういうことか」と実感できる部分があり、ネットワークやミドルウェアの設定などについても理解が深まるものがありました。
少し自信を持ってインフラについての基本的な所については話せるようになった気がします。
それで、サーバーのセットアップをしてみよう!と思っていただけたなら、Cent OSのインストールから始めてみることをオススメします。
この本とても分厚いですが、キャプチャつきで丁寧に書かれており、本に書かれている通りに進めていけば、初心者でも脱落することなくインストール出来ると思います。

以上、Webディレクターの助けになるだろう個人的なオススメ5冊を紹介いたしました。昨今、Web上には制作に使えるエッセンス的な情報が山ほど公開されていますが、情報を深掘りして体系的に理解するには、やはり本からでしか学べないと思います。
お時間のある時に、ご興味あれば、ぜひチェックしてみてください。

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